第一話~第五話第一話~三年前 スペシャルサーキット~ ズギャァ! 誰もいないサーキットに、高鳴るスキール音。 そう。大統領の座をかけた決闘が今、ここで行われている。 現在のトップはローズダンサー。その30m後方に、レオンがいる状況だ。 三週目も同じ順位で、事が進んでいく。 レオン「(くそっ・・・!このまま負けるのか・・・?)」 その時、何かを思いだした。 「レースでは、考えるのをやめたら負けるんだ。」 これは、レオンの父が、レーサーに成り立てだったレオンに言った言葉だ。 レオン「(そうだ・・・!考えるのをやめたら負ける・・・!どこかで、どこかに弱点があるはずだ!)」 ローズダンサー「(フッ・・・なかなかやるじゃないか・・・こんなに楽しいレースは、久し振りだ・・・)」 そして順位は変わらず、最後の緩いカーブへ差し掛かる。その時、 ローズダンサー「(くそ、アンダーが出た!!)」 レオン「(ここだ!!)」 レオンはアンダーステアを起こして速度を落としているローズダンサーの横に並んだ。 このままストレートへ向かう。 審判「ゴール!」 レース終了。果たして試合結果は・・・? 審判「大統領 1分43秒76! 挑戦者 1分43秒68!よって、挑戦者の勝利!」 勝ったのはレオンだった。そのタイム差、0.08秒。 ローズダンサーはレオンに近づいて、 ローズダンサー「楽しいレースをありがとう。レオン君。久し振りに燃えたよ。」 レオン「こちらこそ、ありがとうございます。」 ローズダンサー「これからは君が大統領だ。頑張ってくれ。」 レオン「はい!」 ~現在 クラウドヒル ホワイトハウス~ AM 00:47 レオンは、寝室で考え事をしていた。 レオン「俺が大統領になった日から、今日で三年だな・・・」 そう言い、レオンは横を見た。 優勝トロフィーが、並べられている。その横に、ローズダンサーとレオンの写真があった。 レオンはその写真に向かって、 レオン「ローズダンサーさん、俺も、あなたと同じ運命を歩むかもしれません・・・」 to be Conntinued… 第二話 ~クラウドヒル ホワイトハウス~ AM:6:32 秘書「おはようございます。大統領。」 レオン「ああ、おはよう。」 秘書「朝食はどうされますか?」 レオン「今もらうよ。」 秘書「かしこまりました。」 AM:7:13 レオン「ああ、そうそう。大事な話がある。」 秘書「なんでございましょう?」 レオン「大統領を辞めようかと思っているんだ。」 秘書「…は!?な、何故ですか!?」 レオン「自分はずっとこの国でレースをしてきたが、最近他の国のレースを攻略したくなった。それなのに大統領のままでは、色々と不便だろう?」 秘書「し、しかし…!ローズダンサー前大統領の突然の辞任により我が国の信頼は大変低い状況です!もし二代続けてそういう事をされたら、我が国の信頼は地に落ちます!国としてやっていけません!!」 レオン「ふむ…」 しばらく沈黙が続く。 そしてレオンは何かを思いついた。 レオン「じゃあこうしよう。」 レオン「大統領のままでレースをすればいい。」 秘書「ど、どうやってするんですか!?」 レオン「病気だとでも理由をつけてしばらく出られないと言えばいい。そして偽のパスポートを作って、それで俺が入国する。」 秘書「し、しかし…それは犯罪です!!」 レオン「なら大統領を辞めてもいいが?」 秘書「ぐ…」 秘書「わ、分かりました。ナルクス副大統領に頼んでみます。」 レオン「その答えを待っていたよ。感謝する。」 ~チョロQシティー空港 入国審査所~ AM11:37 受付「えー…レオナアメリア様ですか?」 レオナアメリア(レオン)「はい。」 受付「こちらへの入国は始めてのようですね。」 レオナアメリア「はい。」 受付「国によってパーツの規格は違っていて、規格の違うパーツで街を走ったり、レースをする事は認められていませんので、こちらでパーツとボディを支給します。」 レオナアメリア「(へぇ・・こんな感じなんだな。)」 受付「パーツはこちらで用意したガレージに転送させておきました。ボディはこれらの6種類から選んでください。」 ・AE86 レビン ・RX-7 ・GTR R-32 ・ロードスター ・バス ・S2000 レオナアメリア「それでは、6番目のボディにします。」 受付「6番目ですね、かしこまりました。ここで取り付けましょうか?」 レオナアメリア「お願いします。」 ウィーン…カチャ…カチャ… 受付「はい、終わりました。なかなか格好いいですよ。」 レオナアメリア「ありがとうございます。」 受付「それでは、お進みください。」 ~チョロQシティ ガレージ~ レオナアメリア「えーと、転送されたパーツは・・・ここかな。ノーマル・エンジン、オールラウンド、ノーマル・ブレーキ、ノーマル・ステア、AT4ノーマル、AT3…街乗り…ハ?こんな物もあるのか?…ん、メールも入ってるな。見てみるか。」 [今回は我が国にご入国いただき、誠にありがとうございます。活動資金として、2000Gを添付しておきましたので、ご確認ください。] メールには、2000Gが入っていた。 レオナアメリア「なかなか便利だな、でも無駄には使えないよな…しばらくこのパーツでやってみるか…」 第三話 ~チョロQシティ ガレージ~ AM8:37 レオナアメリア「そういえば今日はオーバルサーキットでのレースがあるんだっけ…?時刻は…AM10:25か。」 ~オーバルサーキット~ AM9:41 レオナアメリア「あの…」 受付「はい?」 レオナアメリア「レースに参加したいのですが…」 受付「はい、それでは紙に名前を書いてください。」 と言って受付は、紙をレオナアメリアに渡した。 レオナアメリア「(すげえ…有名な奴がいっぱいいるじゃん…レオナアメリア…っと)」 レオナアメリアは名前を書き、受付に渡した。 受付「はい、レオナアメリア様ですね。AM10:15になったらスターティンググリッドに並ぶようにお願いします。」 レオナアメリア「はい。」 ~オーバルサーキット~ AM10:25 エントリーメンバー 1.マッドスペシャル 2.ナイトブルー 3.ホワイトマーブル 4.オレンジスマイル 5.チャート 6.レオナアメリア 7.ダンディーロケット 8.ブラウンハンター 9.パワースカイ 10.ラッキーホワイト 審判「3...2...1...GO!」 審判が叫び、レースが始まった。 6位に位置していたレオナアメリアは、上位陣を簡単に抜き去り、2位に浮上していた。 ナイトブルー「(すげえ…あれが新人の走りか…?)」 ホワイトマーブル「(昔のアイツを思い出すぜ…)」 そして2週目に入る。 レオナアメリアはスピードを上げ、トップを走るマッドスペシャルとの距離を着実に縮めていった。 そして2週目の後半、 マッドスペシャル「(俺が新人にこうも簡単に追いつめられるだと…!?だが、まだ抜かれた訳じゃない…進路は譲らないぜ…!)」 レオナアメリアが、左から抜き去ろうとする。 マッドスペシャル「(左か…!)」 マッドスペシャルがレオナアメリアの進路を塞ぐ。 レオナアメリア「(ほう…ブロックか…なら…)」 レオナアメリアが右から抜き去ろうとする。 マッドスペシャル「(右か!)」 マッドスペシャルが右に行く。 レオナアメリア「(ここだ…!)」 ここでレオナアメリアが方向を変え、左から抜き去ろうとする。 右へハンドルを切ったばかりのマッドスペシャルは、反応が追いつかず、抜き去られた。 マッドスペシャル「(くそっ…なかなかやるじゃねえか…)」 そして3週目に入り、このままレースは終わるかと思われた。 しかし、3週目の中盤の事。 トップを独走しているレオナアメリアを、チャートが凄まじい速度で距離を縮めてきた。 その差、10m。 レオナアメリア「(な…馬鹿な!)」 チャート「(絶対に1位になるぜ!)」 レオナアメリア「(くそっ…速い!だが、絶対に逃げ切る!)」 そして3週目の後半、チャートが チャート「(くそっ…抜けねぇ…ならどんな手を使ってでも1位になる!)」 ガンッ! レオナアメリア「!」 チャートが、レオナアメリアのリア部分にアタックした。 レオナアメリアはバランスを崩し、スピードを落としてしまう。 その隙にチャートは1位へと躍り出た。 レオナアメリア「…」 第四話 某時刻 オーバルサーキット 休憩所 レオナアメリア「…うーん…」 ホワイトマーブル「お、気がついたか?」 レオナアメリア「…一体何を…?」 ホワイトマーブル「ああ、後から聞いた話なんで詳しくは分からないが…」 マッドスペシャル「チャートにアタックされて抜かれた後、物凄いスピードでチャートを一瞬にして抜き去ったらしいな。」 レオナアメリア「…え?」 マッドスペシャル「は?」 レオナアメリア「実はその時の事を覚えてないんですよ…」 ホワイトマーブル「(こいつ…)ふむ…少し付き合ってくれないか?」 レオナアメリア「あ、はい。」 某時刻 チョロQシティ 喫茶店 ホワイトマーブル「さて、本題に入らせてもらうけど…」 ホワイトマーブル「君の走りは新人とはとても思えない。何故そこまでの技術を持っているのか、教えてくれないか?」 レオナアメリア「…それは出来ません。」 ホワイトマーブル「私の秘密も教える。どうしても君について知りたいんだ。」 レオナアメリア「…分かりました。」 レオナアメリア「実を言うと、私は新人のレーサーではありません。」 ホワイトマーブル「(やはりか…)ふむ。それで…?」 レオナアメリア「私はこういう者です。」 そう言ってレオナアメリアは手帳をホワイトマーブルに見せた。 ホワイトマーブル「(これは…!)まさか君は…」 レオナアメリア「はい、大統領の…レオンと言います。」 ホワイトマーブル「道理で、あんな走りが出来る訳だ…。」 レオナアメリア「これは他言無用です。絶対に話さないで頂きたい。」 ホワイトマーブル「ああ、勿論だ。」 ホワイトマーブル「さて、それでは約束通り私の秘密も教えよう。」 ホワイトマーブル「私はホワイトカーニバル達と共にレーサーの得意なコース、不得意なコースについて調べている。」 レオナアメリア「ふむ…。」 ホワイトマーブル「…君の探しているローズダンサーと一緒になった事もあるよ。」 レオナアメリア「!それは本当ですか?」 ホワイトマーブル「勿論、本当だ。」 レオナアメリア「行方を教えてくれませんか?」 ホワイトマーブル「申し訳ないが…分からない。大統領を辞職してから行方不明のままだ。」 ホワイトマーブル「噂によるとここに来ているらしいが…。」 レオナアメリア「そうですか…ありがとうございます。」 ホワイトマーブル「こちらこそ、ありがとう。」 ホワイトマーブル「それじゃ、私は用事があるので、これで失礼するよ。」 そう言って彼は喫茶店を後にした。 レオナアメリア「(ローズダンサーさん…もしかしたら、あなたともう一度、戦えるかもしれませんね…。)」 to be conntinued... |